ズッコケ三人組のふるさと己斐の再開発・西広島駅〜ひろでん会館 広島市西区己斐本町1丁目 2019年11月15日


ズッコケ三人組のふるさと己斐 西広島駅 整備・工事 広島市西区己斐本町1丁目 2019年11月15日

2019年11月15日10時07分〜13分ごろ 0:00 西広島駅(整備される橋上駅舎と自由通路などは2022年度末に供用開始の予定)1番のりば〜 0:24 山陽本線 五日市・宮島口方面 岩国行き 西広島駅10時08分発〜 0:38 2番3番のりば 跨線橋〜 1:13 東口改札〜 1:24 駅前ロータリー 西広島駅バス停 己斐バス停 Bon-Bus ボン・バス 西広島駅バス停、西広島駅南駐輪場、己斐交番、バッケンモーツアルトママンパティシエ・モーツアルト西広島駅店、セブンイレブン ハートインJR西広島駅店〜 1:53 ズッコケ三人組の像 モデル地点 花山駅の案内、カフェアンドバー ルイージ(CAFE & BAR Luigi)〜 2:06 ひろでん会館跡地(広電会館)KOI PLACE(コイプレース)整備中〜 2:07 駅舎仮移転工事〜 2:21 RESERVA IBERICA レゼルバ イベリカ ショップ(本の看板は2018年2月15日に閉店した「ともに書店」=ズッコケ三人組 モデル地点「アカツキ書店」)〜 2:33 kunugi 西広島己斐駅前店

西広島駅周辺は再開発が進んでいます。東口の駅務室前「ズッコケ三人組」の石像は、変わり行く駅舎を背に駅前の様子を見つめているように立っています。「ズッコケ三人組」の舞台・花山町は、作者の那須正幹さんが生まれ育った己斐の町をモデルにしているということで、那須さんの同級生を中心とした地元グループがこの石像を建立したと聞きました。メンバーにはモーちゃんのモデルになった方もいらっしゃるそうです。

ロスジェネ・人生再設計第一世代のあなたは、「ズッコケ三人組シリーズ」をこれまで一冊は手にとったかと思います。令和元年の今は、もしかしたらお子さんが熱心な読者になっていて、かつてのご自分と重ねながら目を細めておられるかもしれません。では、この児童文学界屈指のロングセラーの続編「ズッコケ中年三人組」はご存知でしょうか。

ハチベエちゃん、メルシーがあぶないって、知ってる」 

「メルシーっていやあ、おれがガキの頃からあったんだぜ。花山町の菓子屋は、あそこと風月堂の二軒だけだったもんなあ」

「そうそう、風月堂ってのがあったね。おやじががんこ者でさあ。メルシーと張りあってた。あの頃がなつかしいよ。今じゃあ花山商店街もシャッター通りだもの。」

那須正幹(2005.12)ズッコケ中年三人組 ポプラ社 pp.5-6

かつてモーちゃんがケーキの食べ比べをしたメルシーと風月堂(とびだせズッコケ事件記者 1983年)。それから28年後*1風月堂はすでに閉店しており、メルシーは店主の体調が優れない上に、花山駅のとなりのショッピングセンターにオープンしたベーカリーチェーン店にお客をとられて経営が傾いています。そしてどうやら商店街も寂しい様子です。

ミドリ市には、すでに市内を南北に走る市営の地下鉄があるが、これに交差した形で、東西線を建設する計画がある。

東西線は、東は倉橋山下駅始発、西は花山駅始発。

始発駅周辺は、地下鉄工事とはべつに、地域開発として進めたいとのことで、とくに花山駅周辺は、市長の提案にあったように巨大なターミナルビルを建設し、地下一階に地下鉄駅、地上一階に路面電車とバスの駅、二階を商業施設、三階はイベントホール、四階と五階を駐車場スペースにするよう、目下検討中というのである。

那須正幹(2013.12)ズッコケ中年三人組 age48 ポプラ社 pp29,  35, 208

花山駅周辺活性化の起爆剤「ターミナルビルの建設計画」が持ち上がったのは、中年三人組が48歳の誕生日を迎える年のことでした。市会議員1年生のハチベエは、計画に絡んだ収賄事件のとばっちりを食いながらも、翌年建設資金の調達に成功。着工にこぎつけることができました。

f:id:hiroshimaphotography:20210722182623j:plain

「ズッコケ中年」を追いかけるように西広島駅周辺の工事が始まりましたが、地元の方々にすれば、物語で語られる「東西線」ことアストラムライン*2の延伸・西広島駅との接続は30年前から言われていたこと。それに伴いひろでん会館は建て替えられ商店街もにぎわうと見ていたものが「今ごろかよ」と本音を聞きました。

予定では駅舎が生まれ変わるのは2022年度末。アストラムライン広域公園から西広島につながるのが令和10年代の初頭でつまりは2028年以降。「ズッコケ三人組」は還暦を過ぎております。再開発が進む町で年齢を重ねる三人組を期待したいところですが、那須正幹さんは三人組が50歳を迎えた「ズッコケ熟年三人組(2015年12月)」でシリーズの完結を発表。「この先六十代、七十代になっても、子ども時代と変わらぬ元気な活躍をしてくれるに違いない」としながらも、ハチベエとモーちゃん、ハカセの物語はもう書かないとのこと。

わたしが子ども版の三人組を書くにあたって、常に心に描いていたのは、彼らが平和と民主主義の申し子だということだ。彼らがあれだけ自由に活躍できたのも、ひとえに日本が平和で民主的な国柄だったからで、これは中年版にも言えることだ。

ところが戦後七十年間続いてきた平和で民主的なこの国に暗雲がかかり始めたのである。(中略)もしかすると「戦前」となるかもしれない時代に、とても三人組の物語を書き続ける気になれない。

那須正幹(2015.12)ズッコケ熟年三人組 ポプラ社 pp233-234

「だからあなたがたはしっかりせえよ」読者に向けた最後のエールだと受け取りましたが、なんでしょう。なんとも言えないこの感じ。ロスジェネ・人生再設計第一世代のあなたはわかってくれるでしょうか。ご同輩のあなたの感想が聞きたいです。

f:id:hiroshimaphotography:20210722182911j:plain

ズッコケ三人組の石像 2012年12月25日15時26分ごろ

 


ズッコケ三人組のふるさと己斐 ひろでん会館・広電西広島駅 再開発工事 広島市西区己斐本町1丁目 2019年11月15日

2019年11月15日10時14分〜18分ごろ 0:00 ワンダーキャットビル前 Bon-Bus ボン・バス(紙屋町経由 八丁堀行き)〜 0:14 西広島駅前交差点 横断歩道 ひろでん会館跡(2018年3月31日閉館、2018年5月7日〜2019年6月ごろ解体工事)KOI PLACE(コイプレース)整備中〜 0:25 パーテーション掲示新己斐橋から見たひろでん会館 1964年」「ひろでん会館 開業日のにぎわい1964年6月10日」「太田川放水路 1964年」「ひろでん会館・市内電車のりば 750形(旧大阪市電車両)1965年」「広電西広島駅の切符自販機 1965年(昭和40年)当時宮島線の最低運賃は15円。中央魚市場(草津南電停)まで行けた」〜 0:51 広電西広島駅 軌道〜 0:57 骨付き鳥居酒屋 來はち(ズッコケ三人組 モデル地点=喫茶 田園)〜1:01 ワンダーキャットビル 女神の微笑、己斐商事、アートリンガル外語学院 西広島己斐校、カレーハウスCoCo壱番屋 西広島駅前店〜 1:07 ひろでん会館(2011年12月16日撮影)〜 1:12 3番のりば 宮島口行き 3800形(2011年12月16日撮影)〜 1:15 5番おりばからひろでん会館方向(2011年12月16日撮影)〜 1:17 広島駅行き 3950形(2011年12月16日撮影)〜 1:19 宇品二丁目行き 1900形1902号「桃山」(2012年12月25日撮影)〜 1:21 新己斐橋西詰交差点から西広島己斐行き1900形1913号「嵯峨野」〜宮島街道〜 1:39 ズッコケ三人組 モデル地点 花山デパート=広電ストアビルの案内板「うわさのズッコケ株式会社」イラスト

f:id:hiroshimaphotography:20210722183156p:plain

ズッコケ三人組のふるさと己斐マップ

「ひと・まち広島未来ファンドHm2(フムフム)*3」第6回(2008年)助成を受けて石像やモニュメント、モデル地点の看板が設置されました

f:id:hiroshimaphotography:20210722183417p:plain

稲穂県ミドリ市花山町 イラストマップ

f:id:hiroshimaphotography:20210722184036j:plain

ズッコケ三人組 モデル地点「花山駅西広島駅(東口)2011年12月16日15時09分ごろ

 虫垂炎ハカセのお見舞いでモーちゃんとハチベエが待ち合わせた駅前広場*4

f:id:hiroshimaphotography:20210722184619j:plain

ズッコケ三人組 モデル地点「アカツキ書店」ともに書店 2011年12月16日15時09分ごろ

 以前ここで営業していた「宮島堂書店」でみなさんおぼえてらっしゃるでしょうか

f:id:hiroshimaphotography:20210722185617j:plain

駅前ロータリー 2011年12月16日15時17分ごろ

f:id:hiroshimaphotography:20210722185857j:plain

ズッコケ三人組 モデル地点「花山デパート」ひろでん会館 2012年12月25日15時16分ごろ

f:id:hiroshimaphotography:20210722182130j:plain

f:id:hiroshimaphotography:20210722190142j:plain

稲穂電鉄 花山町電停「広電西広島駅」 2011年12月16日15時13分ごろ

f:id:hiroshimaphotography:20210722190701j:plain

ズッコケ三人組 モデル地点「喫茶 田園」骨付き鳥居酒屋 來はち 2012年12月25日15時24分ごろ

2009年ごろまでは「喫茶 不二屋」として営業。宅和先生のひとり娘・恵さんと長井先生がデートをしていましたね*5

f:id:hiroshimaphotography:20210722190931j:plain

ズッコケ三人組 モデル地点「花山第二小学校」広島市立己斐小学校 2011年7月15日10時32分ごろ

OBの子が同窓会の関係で訪れたときにとった写真を送ってくれました

f:id:hiroshimaphotography:20210722191312j:plain

2018年4月8日 5-Daysこども文化科学館 アポロホール「おめでとう!ズッコケ三人組40周年 那須正幹さん講演会」那須さんの講演会にうかがったのはこれが2度目。1度目は1995年ごろ、当時RCCラジオでアルバイトをしておりまして、「なんでもジョッキー」の番組ジングルをつくったご縁でディレクターの浅井さんに誘っていただきました。浅井さんと那須さんは基町高校の同級生。シリーズ第1作「それいけズッコケ三人組」モーちゃんがチャレンジした「ゆめのゴールデンクイズ」の司会「浅井満里子アナウンサー」のモデルということです。「それいけズッコケ三人組」単行本が出版された1978年に那須さんは広島から山口へ転居。帰省の度に気づいた己斐の町並みの変化をシリーズに反映させていたとか。

シリーズのなかで「ぼくらはズッコケ探偵団」が初めて手にとったタイトルなんですが、単行本の奥付には防府市那須さんご自宅住所が載っていたのをよくおぼえています。全国の小学生読者から毎日ファンレターが届いていたとか。ぼくが書いた封書もお手元に届いたようで、後日官製はがきでとても丁寧な直筆のお返事をいただきました。

f:id:hiroshimaphotography:20210722192359j:plain

2018年4月8日 こども図書館 ズッコケ三人組のパネルや前川かずおさんと高橋信也さんの表紙原画展示もありました。

*1:12歳の小学6年生から28年後。ズッコケ三人組は前身の「ずっこけ三銃士(1976年)」以来シリーズ完結の2004年まで登場人物が年齢を重ねない「サザエさん方式(サザエさん時空)でした。ズッコケ中年三人組は2005年40歳から毎年歳を重ねて2015年に50歳ズッコケ熟年三人組でシリーズ完結を迎えました。

*2:作中の東西線のように地下鉄ではなくルートも違います。

*3:公益信託広島市まちづくり活動支援基金

*4:こちらズッコケ探偵事務所(1983年)

*5:とびだせズッコケ事件記者(1983年)